2021年1月25日月曜日

辛丑年 今年の運勢

 今年の絆プロジェクトの2回目は、2学年主任が担当させていただきます。

 さあ、今年も正月がやってきました!
 初詣に行けなかった人、まだ行ってない人、そして、「おみくじ」を引かなかった人のために、私が、「今年の運勢」を占って進ぜましょう!
 実は、私の祖父と父は、貧乏な「神官」を務めていた関係で、親類縁者、隣近所、知人などから依頼され、吉凶日や方位方角を見ては、吉方・吉日を占っていました。そうした影響もあって、私自身も、ここに社会(歴史)科の知識を加えて、自分なりに干支を学びました。

 今年は、西暦2021(令和3)年。干支(えと)は、ご存知のとおり、「うし年」ですね。この干支は、正しくは「十干十二支」と書き、「じっかんじゅうにし」と読みます。今年の干支は、「辛丑」と書き、読みは「かのとうし・シンチュウ」です。
 そこで、今年「辛丑(かのとうし・シンチュウ)年」が、どのような干支なのか、また、どのような運気のある年なのか、中学生にとって、どのような意味を持つ年になるのか、今年の運勢を占わせてもらいましょう。

 

 この干支というものが歴史的に見て、特に中国を中心とする、東アジア地域では、大きな意味を持つことは、地理の授業でも話したとおりです。この「中国・四千年の歴史」から、今年を占えば、辛丑(かのとうし)年が、どのような意味を持つか解ってきます。これを簡単に説明します。

 干支とは、十干十二支のことです。先ずは、「十干(じっかん)」の説明です。

 古代中国では、「五行思想」というものがありました。五行とは、地球上の万物が、木・火・土・金・水の5つの元素から成り立つという考え方です。これに、陰陽思想(世界中の出来事は、すべて陰と陽の二面があるという考え方)を当てはめて、それぞれ陽と陰の(これを日本では「兄(え)弟(と)」)2つに分割し、10進法の考え方を取り入れたものです。(古代中国では太陽が10個あり、10日で元の太陽に戻ると考えられていました。ですから10日間のことを旬間(じゅんかん)と言います。何月の上旬、中旬、下旬などは、10日間を指します。)
 この5つの元素に星を合わせて、木星・火星・土星・金星・水星と表して、方位を示しました。つまり、十干の1番が「木星の陽・木(き)の兄(え)」、2番目が「木星の陰・木の弟(と)」、というように、最後の10番目は、「水星の陰・水の弟」となります。今年の星「庚」は十干の8番目の「金星の陰・金の弟」になります。
 これに、方位や季節をあてはめます。木は若々しく芽吹く、「春」を意味し、方角は東を指します。同様に、火は熱い(暑い)夏と南を、金は夕日輝く西と秋を、水は、冷たい北と冬を意味します。残る「土」は中庸に位置し、変化を意味します。「土用」は、「土(ど)用(よう)の丑(うし)」の日に鰻(うなぎ)を食べることで有名ですが、実は、季節の変わり目すべてを「土用」といい、1年に4回あるのです。
 「金星の陰・金の弟」で」ある「辛」は、文字通り、堅く、強い「金属」を意味し、陰である弟は、陽の兄よりも熟してくるものです。方角が西で、季節が秋ですから、実りの時なのですね。昨年の「庚年」は、熟し始めるときですから、意思が固まり、強固な目標に向かって、実らせる時でした。今年の「辛年」は、完熟する時ですから、意訳すれば「目標にぶち当たる時」と言えるのです。そうです! 中学3年生の皆さんとともに、中学3年になる皆さんにとっても、卒業後の新たな路に進むべき年として、まさに「最高の当たり年」と言えるのです。
 
 十二支は周知の通り、「ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い」の12の動物に例えたものです。漢字では、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」と書きます。これは、1日を12分割して考え出されたものです。1年も12ヶ月であるように、12という数字は約数がたくさんあって、使いやすいところから、太古の昔から12進法の発想が世界の各地域であります。この十二支に、時刻や方位を当てはめて時計や方角図に利用しています。社会の授業で習った、南北を結ぶ線を「子午線」と言ったり、正午が12時を差して、太陽の南中時刻に合わせ、正午前を午前、正午後を午後というように...です。
 さて、丑年は2番目ですね。時刻なら二時、方位なら北北東を指します。午前二時、何をしていますか? そう、普通なら寝ていますよね。(誰だ!YouTubeなんぞ視てるのは😠)寝るのは、何のためですか。そうです、明日の活力をみなぎらせるためです。丑は、植物の種が硬い殻を破ろうとしている状態です。つまり、しっかり実力を身に付ける、そんな時です。 えっ! まだ寝ているのですか!? これじゃあ、来たるべき進路に出遅れてしまいますね。しかし、安心してください。この「丑」は、あくまでも「辛丑年」です。十干は近い将来を占い、十二支はその先にある将来を意味します。つまり、しっかり実力を身に付ける時なのは、「将来の目標に向かう実力を身に付ける」時なのです。今年の「新たな路に向かって覚悟を決めてぶち当たるのに適した年」に闘うみなさんは、その闘いが、「最終的な自分の進路に向かってしっかりと実力を身に付ける年」になるのです。

 こんなにも適した年に、進路選択を迎える皆さんは、何と幸運なことでしょう! こんなに幸運の年は、60年に1回しか、回って来ません。(干支は60年で1周り。「十干」と「十二支」は、60年経つと、もとの干支に戻ります。これを「還(かん)暦(れき)」と言います。つまり、次の「辛丑年」は、60年後、君たちなら74歳になっています。私も90歳近くになります・・・!? (^_^;) )

(来年は、どんな年になることでしょうね。これは、また来年正月に説明しましょう  (^^)/ )

2021年1月12日火曜日

「毎日が楽しい豊田中」を目指して…

 3学期最初の「絆プロジェクト」は、校長が担当させていただきます。 

 皆さん、明けまして、おめでとうございます。 年末年始は、いかがお過ごしでしたか。今年の三が日は、天候にも恵まれ、穏やかな年明けとなりました。昨年末に、栃木県では、独自の警戒度が「特定警戒」となり、不要不急の外出自粛が求められたため、家族揃って自宅で過ごされた方も多かったのではないかと思います。

 私は、毎年年末に、大学時代の同級生と忘年会を行い、三が日は実家に挨拶に行っていましたが、今回は全て取りやめて、自宅でのんびり過ごしました。 新型コロナウィルスの感染の広がりは、深刻な状況になっています。いつ、どうなるか、全く見通せない状況です。心配事は尽きませんが、3学期も引き続き、「毎日が楽しい豊田中」を合い言葉に、前向きに、笑顔を大切にして、取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

8日の始業式は、感染拡大の状況を踏まえ、2学期の終業式同様、リモートで行いました。内容について、もう一度振り返っていただけたらと思います。 

【3学期始業式式辞】 

 皆さん、明けまして おめでとうございます。 今年の三が日は、天候にも恵まれ、穏やかな年明けとなりました。2021年が皆さんにとって よい年であることを願っております。 

 今朝は、皆さんの元気そうな姿を見ることができて、とても嬉しく思います。2学期の終業式で、「命を守るための取組を大切にして、冬休みも元気に過ごしてほしい」と、お話をしました。皆さんが、そのことを実行してくれたことに対して、そして、今日こうして無事に 3学期の始業式を迎えることができることに対して、とても嬉しく思います。生徒の皆さん、先生方、皆さんのご家族の 健康面への心掛けに対し、改めて感謝申し上げます。 

 さて、一年の計は元旦にありと言われますが、「今年はこんな年にしよう!」と 目標を立てた人も多いと思います。この後、各クラスで、3学期の目標を立てるかもしれませんが、目標を立てて、それをクリアしようと努力する生活は、張り合いがあるものです。ただなんとなく毎日を過ごすのではなく、皆さんには、是非、目標をもった生活を送ってもらいたいと思います。 

 実は、豊田中にも目標があります。分かりますか?

 各教室に掲げられている「学校教育目標」がそうです。見ないでも思い出せますか?
 「思いやりのある子ども」「自ら考え学ぶ子ども」「たくましい子ども」「ふるさとを大切にする子ども」という4つの目標があります。豊田南小、豊田北小、豊田中の3校で、令和2年4月、つまり今年度から同じ目標としました。来年、令和4年4月に小学校2校が統合され、豊田中と小中一貫校として、新たなスタートを切ることになっていますが、それに向けて、今年度から3校で同じ目標の下、活動していくことにしました。

  実は、この教育目標には、何のために掲げているのか、言い換えると、豊田中の教育の「目的」が書かれたものがあります。皆さんは、普段、目にすることはありませんが、小山市で定めている基本方針の中に、市で掲げる教育目標、その中には、各学校の教育目標も含まれますが、それらの目標を通じ、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として 必要な資質を備えた 心身ともに健康な市民の育成を図っていく」とあります。これが、豊田中の教育の「目的」と言えます。

  今、「目的」とか「目標」と言いましたが、「目的」と「目標」は似ているようですが、実は違います。一言で言えば、「目的」は、目指すゴールのこと。「目標」は、目的を達成させるための具体的な手段と言えます。先ほどの話に戻ると、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として 必要な資質を備えた心身ともに健康な市民の育成を図っていく」ことが小山市としての「目的」です。その「目的」に向かって、豊田中では、「思いやりのある子ども」「自ら考え学ぶ子ども」「たくましい子ども」「ふるさとを大切にする子ども」という4つの目標を掲げているということです。

  皆さんは、学習や生活、部活動など、いろいろなことについて、「目標」を立てて取り組んでいますが、その「目的」によって、「目標」に対する取り組み方も違ってきます。例えば、「英単語のテストで100点を取る」という「目標」を立てたとします。「将来、英語を使った仕事に就けるよう、英語の力をつける」ことが「目的」のAさんは、一生懸命に勉強して、しっかり単語を覚えて「目標」を達成しました。一方、「100点を取ったら、親にゲームソフトを買ってもらえる」ことが「目的」のBさんは、同じく頑張って、100点を取るという「目標」を達成しました。 

 この二人、同じ目標達成でも、全く意味が違ってくると思いませんか。もしかすると、その後の人生においても、大きく違ってくるかもしれません。「目標」を立てることは大切ですが、その前に、「目的」をしっかりと見据えておくことが大事です。物事に取り組むときには、ただ「やればよい」ということではなく、「何のため」にそれをするのか、目的意識をしっかりもち、自分を高める目的を達成するために、自分の時間を使ってほしいと思います。

 3年生の皆さんは、すでに始まった人もいますが、受験期に入ります。「志望校に合格する」ことは「目標」になるかと思いますが、思うように成績が伸びなかったり、迷いや不安が出てきたりするかもしれません。そんなときは、「そもそも、何のために、この学校に入りたいと思ったのか」と、原点に立ち戻って、自分が達成しようとしていた「目的」を 思い出してみてください。そして、その「目的」が達成できた自分を想像してみてください。きっとモチベーション・やる気が上がってくることと思います。そして、「志望校に合格する」という目の前の「目標」に向かって、前向きに取り組めるようになると思います。 

 1、2年生の皆さん、3学期は一年間のまとめの時期ですが、来年度に向けての準備の時期でもあります。ですから、それぞれの学年をきちんと終わらせる、終わりの時を大切にすること。しっかりと有終の美を飾るとともに、次の学年に備えてほしいと思います。そのための「目標」が立てられるといいと思います。

  最後になりますが、式辞の最初に触れましたが、新型コロナウィルスの感染拡大が深刻な状況です。with コロナと言われていますが、いつ、誰が、新型コロナウィルスに感染してもおかしくない状況であり、いつ、どうなるか、先の見通しが立たない状況にあります。ですから、この3学期も、「命を守る」ために、どうしていかなければならないか、考えて行動してほしいと思います。

  そして、引き続き、1、2学期の取組を継続させて、「毎日が楽しい豊田中」となるよう、みんなで「今」を大切に、「今」できることに全力で取り組んでいきたいと思います。一人一人の更なる成長を期待して、第3学期 始業式の式辞といたします。