今年の絆プロジェクトの2回目は、2学年主任が担当させていただきます。
さあ、今年も正月がやってきました!
初詣に行けなかった人、まだ行ってない人、そして、「おみくじ」を引かなかった人のために、私が、「今年の運勢」を占って進ぜましょう!
実は、私の祖父と父は、貧乏な「神官」を務めていた関係で、親類縁者、隣近所、知人などから依頼され、吉凶日や方位方角を見ては、吉方・吉日を占っていました。そうした影響もあって、私自身も、ここに社会(歴史)科の知識を加えて、自分なりに干支を学びました。
今年は、西暦2021(令和3)年。干支(えと)は、ご存知のとおり、「うし年」ですね。この干支は、正しくは「十干十二支」と書き、「じっかんじゅうにし」と読みます。今年の干支は、「辛丑」と書き、読みは「かのとうし・シンチュウ」です。
そこで、今年「辛丑(かのとうし・シンチュウ)年」が、どのような干支なのか、また、どのような運気のある年なのか、中学生にとって、どのような意味を持つ年になるのか、今年の運勢を占わせてもらいましょう。
この干支というものが歴史的に見て、特に中国を中心とする、東アジア地域では、大きな意味を持つことは、地理の授業でも話したとおりです。この「中国・四千年の歴史」から、今年を占えば、辛丑(かのとうし)年が、どのような意味を持つか解ってきます。これを簡単に説明します。
干支とは、十干十二支のことです。先ずは、「十干(じっかん)」の説明です。
古代中国では、「五行思想」というものがありました。五行とは、地球上の万物が、木・火・土・金・水の5つの元素から成り立つという考え方です。これに、陰陽思想(世界中の出来事は、すべて陰と陽の二面があるという考え方)を当てはめて、それぞれ陽と陰の(これを日本では「兄(え)弟(と)」)2つに分割し、10進法の考え方を取り入れたものです。(古代中国では太陽が10個あり、10日で元の太陽に戻ると考えられていました。ですから10日間のことを旬間(じゅんかん)と言います。何月の上旬、中旬、下旬などは、10日間を指します。)
この5つの元素に星を合わせて、木星・火星・土星・金星・水星と表して、方位を示しました。つまり、十干の1番が「木星の陽・木(き)の兄(え)」、2番目が「木星の陰・木の弟(と)」、というように、最後の10番目は、「水星の陰・水の弟」となります。今年の星「庚」は十干の8番目の「金星の陰・金の弟」になります。
これに、方位や季節をあてはめます。木は若々しく芽吹く、「春」を意味し、方角は東を指します。同様に、火は熱い(暑い)夏と南を、金は夕日輝く西と秋を、水は、冷たい北と冬を意味します。残る「土」は中庸に位置し、変化を意味します。「土用」は、「土(ど)用(よう)の丑(うし)」の日に鰻(うなぎ)を食べることで有名ですが、実は、季節の変わり目すべてを「土用」といい、1年に4回あるのです。
「金星の陰・金の弟」で」ある「辛」は、文字通り、堅く、強い「金属」を意味し、陰である弟は、陽の兄よりも熟してくるものです。方角が西で、季節が秋ですから、実りの時なのですね。昨年の「庚年」は、熟し始めるときですから、意思が固まり、強固な目標に向かって、実らせる時でした。今年の「辛年」は、完熟する時ですから、意訳すれば「目標にぶち当たる時」と言えるのです。そうです! 中学3年生の皆さんとともに、中学3年になる皆さんにとっても、卒業後の新たな路に進むべき年として、まさに「最高の当たり年」と言えるのです。
十二支は周知の通り、「ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い」の12の動物に例えたものです。漢字では、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」と書きます。これは、1日を12分割して考え出されたものです。1年も12ヶ月であるように、12という数字は約数がたくさんあって、使いやすいところから、太古の昔から12進法の発想が世界の各地域であります。この十二支に、時刻や方位を当てはめて時計や方角図に利用しています。社会の授業で習った、南北を結ぶ線を「子午線」と言ったり、正午が12時を差して、太陽の南中時刻に合わせ、正午前を午前、正午後を午後というように...です。
さて、丑年は2番目ですね。時刻なら二時、方位なら北北東を指します。午前二時、何をしていますか? そう、普通なら寝ていますよね。(誰だ!YouTubeなんぞ視てるのは😠)寝るのは、何のためですか。そうです、明日の活力をみなぎらせるためです。丑は、植物の種が硬い殻を破ろうとしている状態です。つまり、しっかり実力を身に付ける、そんな時です。 えっ! まだ寝ているのですか!? これじゃあ、来たるべき進路に出遅れてしまいますね。しかし、安心してください。この「丑」は、あくまでも「辛丑年」です。十干は近い将来を占い、十二支はその先にある将来を意味します。つまり、しっかり実力を身に付ける時なのは、「将来の目標に向かう実力を身に付ける」時なのです。今年の「新たな路に向かって覚悟を決めてぶち当たるのに適した年」に闘うみなさんは、その闘いが、「最終的な自分の進路に向かってしっかりと実力を身に付ける年」になるのです。
こんなにも適した年に、進路選択を迎える皆さんは、何と幸運なことでしょう! こんなに幸運の年は、60年に1回しか、回って来ません。(干支は60年で1周り。「十干」と「十二支」は、60年経つと、もとの干支に戻ります。これを「還(かん)暦(れき)」と言います。つまり、次の「辛丑年」は、60年後、君たちなら74歳になっています。私も90歳近くになります・・・!? (^_^;) )
(来年は、どんな年になることでしょうね。これは、また来年正月に説明しましょう (^^)/ )