2022年7月6日水曜日

七夕に寄せて

    明日7月7日は七夕ですね。
「ささの葉さ~らさら~♪」で始まる「たなばたさま」の童謡は皆さん知ってますよね。調べてみると、今から約80年前、昭和16年に文部省発行の「うたのほん」に掲載された唱歌とのことです。誰もが口ずさんだことのあるおなじみの歌ですが、改めて歌ってみるとよく意味のわからない言葉はありませんか?
(1番)ささの葉 さらさら     │(2番) ごしきの たんざく                
        のきばに ゆれる        │     わたしが 書いた                  
          お星さま きらきら     │     お星さま きらきら                
    きんぎん  すなご         │     空から 見てる                    
                                                                         
 「のきば」は「軒端」、軒の端っこの部分で、「軒下(のきした)、庇(ひさし)とも呼ばれます。昔はよく軒端に笹が飾られていたのですね。
 
 「きんぎんすなご」は漢字で書くと「金銀砂子」となり、金箔や銀箔を砂のように細かく砕いた粉のこと。襖(ふすま)や蒔絵(まきえ)の装飾に使われるものだそうです。空を彩るキラキラとした美しい天の川が目に浮かぶようですね。
   「ごしきの たんざく」は「五色の短冊」。この五色は中国の陰陽五行説にあてはまる五色で、「緑(青)・赤(紅)・黄・白・黒」のこと。陰陽五行説とは、万物は「木(緑)・火(赤)・土(黄)・金(白)・水(黒)」の5種類の元素からなるという自然哲学の思想で、七夕やこいのぼりなど、日本の慣習や年中行事に影響を与えています。そういえばこいのぼりの一番上に飾られる吹き流しにも、この五色が使われていますね。この五色の短冊に願い事を書いて飾ると願いが叶うと言い伝えられているそうです。(日本では、黒ではなく、紫を使うことが多いようです。)
  また、「さ」の音の繰り返しや「さらさら」「きらきら」での押韻、「すなご」から「ごしき」へのつながりなど、表現においても随所に技法が散りばめられ、歌にリズム感や流れるような調べを生み出しています。この辺も、長い間歌い継がれた所以とも言えるのでしょう。
  豊田中の昇降口には、今年もまた皆さんの願いが書かれた五色の短冊が飾られていますね。個性的でユニークなものから、周りへの思いやりあふれた心温まるものまで、実に様々な願いが頭上に揺れていて、下を通るときは思わず笑みがこぼれてしまいます。みんなの願いが叶いますように…と願うばかりです。
                                        次は養護の先生です。お楽しみに!