2020年12月26日土曜日

令和2年の終わりに~教頭の雑感

「新しい生活様式」という言葉が使われるようになってずいぶん経った。
「新しい生活様式を基盤として」もずいぶん文書の中で使った。

でも、ふと思った。
「様式」ってなんだ?
調べてみた。

1 ある範囲の事物・事柄に共通している一定の型・方法。スタイル。「古い様式の家具」「書類の様式」
2 ある時代・流派の芸術作品を特徴づける表現形式。「飛鳥 (あすか) 様式を模倣する」「様式美」
3 習慣・約束などで定められたやり方。「生活様式」「行動様式」
 
「新しい生活様式」だから、【3】の意味だろうか。
今、取り組んでいる諸々のことを思い浮かべたとき、「習慣」の言葉はなんとなくしっくりくる。マスクの着用も、手指消毒もしっかり身につけた。給食の時に全員前を向いて静かに食べることも。
でも、「定められた」の言葉がしっくりこない。では、どんな言葉がいいのかと言われても思い浮かばない。

新型コロナウイルス感染症のために、いろいろなことが変わった。変わるしか方法はなかった。だから「変わり方」にこだわった。
誰に「定められた」訳ではなく、自分たちで「命を守ること」を最優先に考え変化に挑戦した。

これまで長い間続いてきた「学校の教育活動」を変えるためには、勇気と決断が必要だ。
教職員だけの納得で終わらせてはならない。保護者にも地域にも理解してもらうことが重要だ。でも、どうやって理解してもらうか。

結論は生徒の姿しかない。生徒が「学校が楽しい」と言葉にしてくれることが一番のメッセージになる。

豊田中の新たな挑戦
豊田スタイル・日常が楽しい豊田中・T's  GALLERY・豊中フェスタ・・・
挑戦のたびに生まれた言葉

でもその言葉は、言葉だけで終わることなく、形となって目に映り、音となって耳に響き、
感動となって心に残った。
多くの変更や制限のある生活の中でも、いじけたり不満をぶつけたりせず、素直に柔軟に心を前向きにしながら取り組んだ生徒たちの姿に助けられたことも数多くあった。
この子たちでなかったら、私たち教職員はもっと立ち止まったり、堂々巡りをしたり、時には後ろをむいてしまったりしたかもしれない。
これほどまでに、生徒に感謝した年はない。

12月26日に保護者対象の上映会を実施した。これまでの学校行事の動画を教職員が編集した。ただでさえ、働き過ぎが問題になっている教員に新たな業務を課してしまったが、できあがった動画を見ると、その能力の高さに脱帽した。「大変だから」「無理だから」と避けていたら見られなかった教職員の力。これも、「変化」と「挑戦」で見えたもの。

上映会を鑑賞した保護者から「本当に準備が大変でしたね。でも、いつもと違う形であっても、良さに感動して涙が出ました。」と言葉をいただいた。また、子どもの言葉から想像するしかなかった学校の様子を動画で実際見て、「ああ、本当に楽しかったんだな」と実感した保護者も多かったようだ。きっとコロナ禍の中で、大勢が集まる学校に登校させることは、親としてどれだけ心配だったろう。温かく、学校の方針に寄り添ってくれた保護者にも心から感謝した年になった。

おもうままにとりとめもなく綴った。言い尽くせない感謝でいっぱいである。
でも、コロナの感染は拡がるばかりだ。来年、いや、来月、3ヶ月後?また学校は大きなうねりに巻き込まれていくかもしれない。でも、信じよう。子どもたちを。そして
学校の力を。

豊田中に関わるすべての方に心からの感謝を申し上げ、令和2年度を心穏やかに締めたいと思います。本当にありがとうございました。