さて、皆さん、私の担当教科は何ですか?
そうです、皆さんご存じの通り数学と…美術ですね。
はい、美術です。
皆さん、美術は好きですか?私は、中学生の頃、美術が大好きでした。
「雲って輪郭がハッキリしてないのに、なんであんなに上手く描けるんだろう?」
「水は透明だけど、どんな風に描いたら流れているっていうのが伝わるんだろう?」
そんなことを思いながら、決して上手くはなくとも、ボーッと絵を描いたりする時間が好きでした。
でもその一方で、
美術って何が正解なんだろう。何のために勉強して、どう役立てるんだろう。
大切な疑問であるはずなのに、これが分からないまま大人になってしまった気がします。
最近になって、この疑問に答えてくれる本に出会いました。
今日は、その本を紹介したいと思います。
それがこちら。『13歳からのアート思考』という本です。
中学校の美術教師でもある末永幸歩(すえなが・ゆきほ)さんが書いた本です。
この本を開くと…
110年ほど昔、モネという画家が描いた「睡蓮」という絵と、この絵を見たある男の子の言葉が紹介されています。
「カエルがいる」
みなさんはこの絵の中のどこにカエルがいるか分かりましたか?
ちなみに、私は見付けられませんでした…(笑)
↓ 答えは下に ↓
「どこにカエルがいるの?」と訊かれた男の子はこう答えたそうです。
「いま水にもぐっている」
そうです、この絵の中のどこにも、カエルは描かれていないんです。
みなさん、どう思いました?
「なんだ、そういうことか」「そんなの分からないじゃないか!」
いろいろ感想はあると思います。
でも、よくよく考えれば、モネが「睡蓮」を描いていたとき、この場所にはカエルだけではなく、たくさんの魚や虫がいたかもしれない。そよ風が吹いていたかもしれない。小鳥のさえずりが聞こえていたかもしれないし、もしかしたら近くにパン屋さんとかがあっておいしそうな匂いが漂っていたかもしれない。
「それは単なる想像でしょ」と切り捨てるのも簡単ですが、『13歳からのアート思考』では、この男の子の言葉の後にこう問いかけています。
ビジネスだろうと学問だろうと人生だろうと、こうして「自分のものの見方」を持てる人こそが、結果を出したり、幸せを手にしているのではないでしょうか。
じっと動かない1枚の絵画を前にしてすら「自分なりの答え」をつくれない人が、激動する複雑な現実世界のなかで、果たしてなにかを生み出したりできるでしょうか。
そして、アートを「興味の種」「探求の根」「表現の花」を持つ植物に例えて、
「『すばらしい作品』ってどんなもの?」
「『リアルさ』ってなんだ?」
「私たちの目には『なに』が見えている?」
といったように、「美術」「アート」という切り口から、「自分なりの答え」を見つけるために必要なものの見方を探っていきます。
読んでみたら美術の時間がちょっと楽しくなるかもしれないこの1冊、朝の読書の時間のおともにいかがですか?
※著者の末永さんが書かれた記事です。
次回の絆プロジェクトは、1年1組担任がお送りします!お楽しみに!